知らないふりができないnews
2024年10月8日
渡り廊下の掲示の画鋲が外れ、1枚の写真が傾いていました。
その前を一人の6年生の女子児童が通りかかりました。
その子は、ちらっとそちらを見るとすぐにその傾いた写真を自分の手でまっすぐにして、きょろきょろしています。
「落ちた画鋲を探してるんだな」
すぐにそれが私にもわかったので、私は近づいていきました。
「ありがとね。画鋲を探しているんだね。一緒に探そう。」
そんな声をかけてはみたものの、周囲に画鋲は落ちていません。
二人でそんなことをしているうちに授業の時刻も近づいてきます。
「よし。じゃあ後は私にまかせて。画鋲でとめておくよ。」
その子はうれしそうにうなずき、「お願いします。」と言って教室に向かいました。
廊下の掲示物のはがれ…無視しようと思えば、簡単に無視できるのに、それを放っておけない優しさと責任感。
最後の「お願いします。」の一言が、とても心地よく頭の中で何度もこだましました。